例曲は、Polskie Wydawnictwo Muzyczneというポーランドの作曲家の 「Kanon・ A Round・ Kanon」という小品。
ヘ短調で書かれているが、ソルフェージュの課題にもなりそうな難しい音程の並んだ曲。ゆっくりのテンポの曲だがリズムも複雑で、フレーズの分析も譜面上からでは難解。これを数回聴き、メロディーを覚え、二人組になって動きを付けて「カノン」を表現する。一小節遅れの2声のカノンが、形となって見えたとき、音程やリズムの複雑さも溶解し、Lento cantabile のこの曲の美しさを味わうことが出来る。減5度が気持ち良く歌え、長・短2度音程も自然に正確にとらえられるようになる。リトミックにより、聴覚の繊細さとリズムの感覚、神経の微細な伝達が刺激され、音楽を深く理解できるようになることを実感する。
例えば「牧人羊を」((The First Nowell – ファースト・ノエル)はたいへん古くからあるもので、16世紀・17世紀頃にうたわれていましたが、起源的には13世紀にも遡るとされます。ドからドの1オクターヴの8つの音が、ほぼ順に並んだだけのシンプルなメロディーですが、何とも心地よく開放感があり、「喜び讃えよ」と天使たちが夜空で歌う荘厳さも併せ持っています。ゆったりとした3拍子で、フレーズの始まりの3拍目の2つの八分音符の持つ躍動感は、リズムステップをしてみるとそのリズムの持つエネルギーをとてもよく感じることができます。
1843年に発表されたチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』の作品プロローグ部に、少年がスクルージに歌いかけるキャロルとして登場している、「世の人忘るな」(God Rest Ye Merry, Gentlemen – 神が汝の威を保ちたまわんことを、尊き方々)などにも代表されるように、古くから歌い継がれてきたものは、中世当時の旋律法で作られていますので、幼いころに歌い自然に親しんでおくことは、西洋の音楽のルーツにふれておく良い機会ともなります。