星降る夜に | On the branch

星降る夜に

星座表満天の星空を寝転んでじっくりと眺めるのは何年振りだろう・・・
たしか35年前くらい前の夏以来かな~

我が家はいつも冬の寒い時に、連れだって星空を見に猪名川天文台に行く。
雪が積もっていて、先客の残した『かまくらが』あったことも。

でも、今は真夏、いくら寒いといってもジャンパーを着込むようなことはないだろうと。
とりあえず、ノースリーブだった娘に羽織るものを持たせ、寝転び体制準備にバスタオルを人数分準備して、帰宅したらすぐに寝られるようシャワーを浴び、9:30頃に出発。

晩御飯時に見ていたTVで、チョコレートが血管年齢の若返りに良いとやっていたのに感化され、車中のお供に買い込む。この家族、何とも載せられ易い面々だ^^;

小一時間車を走らせ、現地到着。

夏休みのベストシーズンということもあって、キャンプ場も車はいっぱい、天文台の駐車場もいつもの閑散とした様相とは一変し、「何処にどう停めたら良いの~!?」

それでも、街灯など何もない暗闇の中、フル装備で天体望遠鏡を構えておられる方のお邪魔にならぬようにと気遣い合う、星空に敬意を抱く良識を持った人達のスマートなマナーにより、順々に整然と駐車の車は増えていく。

いつもの如く、天文台への坂道を上がり広場に着くと、もう既に多くの観測者が思い思いの場所にシートをひいて星空観察。
場所選びの見解の相違で、親組・娘組に分かれて、バスタオルの上に寝転ぶ。

iPhoneアプリの「星座表」でペルセウス座をチェック。

自宅付近で見る夜空とはまるで違う。5等星くらいまでは見えているのだろうか。

素晴らしい満天の星!

ペルセウス座の方向には、ちょうど天の川も雲が伸びているように見えている。
いつも見ている星座を結んで確認するほうが難しいほどの星の数。
これだけでも満足☆
天の川ってこんな風に見えるんだ!

数分もたたないうちに、大きな尾を引いた流れ星が!!!!!!
其処此処から「オオ~ッ!」という歓声があがる。
光り輝きながら、天空をス~ッと柔らかな弧を描いていく流星(りゅうせい)。

どうしてこんなに感動するのだろう?
宇宙をこれほどに体感し、人間なんてなんてちっぽけな存在なのだろうと、敬虔な気持ちに一瞬にしてさせてくれるものは、きっと星が燃え尽きるエネルギーの大きさなのだろうな、などと考えてしまう。

せっかくのチャンス、出来るだけ多くを見たく見逃しがないようにしたい、そのためには一か所に焦点を合わせず、出来るだけ漠然と星空全体を視界に入れ意識を空にするほうがいいな~などと思っていたら
夫が横で、「禅の修行のようだな」と呟く。

ところがどっこい、広場には老若男女、様々な年代の様々な人たちが集まっている。
視覚的な情報が一切ない中で、自然に聴覚が鋭敏になり(所謂:耳ダンボ!?)周囲を察知してしまう。

「今何時?帰ったら、1時やな~。」「ゼリー食べような!」とは親子の会話。
「次に星が流れたら、好きな女の子の名前を言うよ!」どうやら、小学生の男子同士らしい。
「あなた、ずっとシャッターチャンスが遅れてるのよ!どうせ遅れるんだから、あなたが直接しっかり見なさいよ!」何とかレンズに記録しようと苦戦しておられるご主人に、奥様の激励!?の声。

静かに、でもがやがやと思い思いの会話が弾んでいる。
何処からか聞こえてくる、お顔の見えない方々の親しい人たちの屈託ない会話が楽しい。

また、広場下の熊笹が風に揺れる音が、まるで海の波の音に聞こえてくる。
本当にそれは見事なほどで、思わずビーチで寝転がっているような錯覚に陥る。
風が吹く度聴こえるその波のような音は、癒し効果抜群!

流星も一つとして同じものはない。
微かに気配だけだったり、ほんの短い一瞬だけだったり。
「今の見えた?」「見えた」「見えなかった」etc.

でも、誰もが確認できるほどの大きな流れが同時に違う方向に見えたりする等は、スペシャル過ぎてもったいないくらいの気分になる。
自分の願い事なんてどうでもよくなるというか、思わず身内の病気で動きが取れない友人の顔が浮かんで来たり、辛い思いをしている人たちの事が頭をよぎる。
星空に思いを馳せるとは、人の変わらぬ習性。
命の生業、存在の偶然性、摂理・・・そんなことを考えさせられる。

でも、時間が経つにつれ、大野山の標高の高さを思い知らされる。
そう、此処は標高753Mの山頂。
いったい気温は何度ぐらいだったのだろう?

寒い!

 えっ!?  昼間下界では、記録的な酷暑、暑い暑いと言っていた筈よね。

まさか、こんなに寒いとは!

星は見たいけど、寒さには耐えきれず・・・
娘たちも同じだったようで、氷を触ったように冷たくなった手を自慢し合い(笑)下山。
真夏でも山の夜は関西でも寒い。長時間の観測には装備が必要ですね。

ほんのわずかな時間だったけれど、瞼の裏にはしっかりと焼きついた感動的な天体ショー。
この夏の思い出に・・・

inagawa

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