2021年度 PTNAピアノコンペティション(地区本選)も頑張りました!

猛暑の続く8月上旬、予選通過した人達が、更なる準備をして本選に挑みました。
コンペに参加するための弾き込みは、「楽譜通り弾ける」ところから、楽譜を深く読み込んで一つずつの音の意味を理解・解釈して、タッチや音色・強弱の付け方・アーティキュレーション・求められる表現などを「自分の演奏で聞かせていく」,というものです。予選とは違う曲で、更にピアノという楽器の演奏力を高めていきます。
探求心や計画性、理解力、表現力、そして音楽性を総動員して、練習を積み重ねました。

課題曲から学ぶ要素を洗い出し、演奏に必要なテクニックだけではなく、小学生でも自分でホモフォニーメロディの音程や和音分析をしたり、中学生はバッハ・シンフォニアでポリフォニー音楽の読譜や分析の仕方をしっかりと勉強しました。
ダルクローズリトミックでは、楽典知識を知識として学ぶだけではなく、聞いて感じたものを声や動きで表現し、幾重にも置き換えながら理解し、音楽との同一化を経験していきます。
その生きたソルフェージュがとても役立つことが、みんなの練習の進め方の様子を見ていてわかります。今回は惜しくも受賞は奨励賞にとどまりましたが、「自分自身で自分の力を伸ばしていく」という目標は大いに達成できたと感じました。

A1級・・・「無理のないタッチで、心から音楽を感じているのが伝わってくる」というコメントをいただきました。テンポの速い細かい指先のテクニックが求められる曲をうまく弾き込なし、ゆっくりの少し哀しい感じのする曲をとても美しく表現できたのは、素晴らしかったと思います。

B級・・・「響きの流れが美しく、安定したリズム感ですっきり整った演奏」というコメントをいただきました。もともと指の関節が柔らかく、指先のコントロールに必要なアーチ型にすることが難しかったのですが、努力して克服し、速いパッセージもきれいに弾けるようになり、そのテクニックを評価していただけました。持っている豊かな感性をさらに表現できるように、音の表現を磨いていきましょう!

D級・・・評価点とコメントにばらつきがあったものの「良い勉強を重ねている。構成力の高さが知的な演奏に繋がっている」というコメントをいただきました。良いところは良いと褒めていただき、こうすればもっと良くなるという事をいろいろな角度からアドバンスしていただき、本当に良い勉強の機会になりましたね。
今回、これまでになく舞台で演奏することに緊張したそうです。そして自分の音があまり響いていないという印象だったと、後で教えてくれました。成長期で手も身体も急激に大きくなって、これまでの「弾く感覚」と大きく違ってきたかもしれません。
自分自身で自分の強みや弱点を知り、日々の積み重ねの中にも創意工夫をして、これからも頑張ってください!

雨の降り続いた夏休み後半でしたが、オンラインでお目に掛かる皆さん共に笑顔で、日々成長しておられる様子が伝わってきます。
コロナ感染拡大の状況で、なかなか対面レッスン再開のタイミングを測れませんが、秋の発表会という次の目標に向けて、準備を始めていきたいと思っています。
先にも書いた通り、音楽やピアノ学習をしていく皆さんにとって、目標を持ってそれを達成していくように取り組むことで、探求心や計画性、思考力、理解力、表現力、そして音楽性などなど・・・多くの力が備わっていくと思います。
みんなにとって、どうか練習が楽しく取り組めるものになっていくようにと願っています。

この夏休み、「中・高校生のための音楽史」というパワーポイント資料を作成し始めました。
作業しながら、人々が時代によって社会や文化を形成してきた変遷の様子と、それと共にあった音楽を改めて色々聴きました。これまでに演奏したり聴いたりしてきた様々な音楽を、時代を知るいろいろな資料に目を通して整理していく作業は、とても面白く楽しいです。
歴史を知り文化の流れの中で音楽(曲)を知っていくことが、これからの時代を切り開いていくみんなにとっても一役買ってくれたらいいなと思っています