【9月の保育園リトミック】-年齢別カリキュラムについて-

リトミックは音楽教育ですが、同時にとても優れた人間教育であるとも言えます。
今月も保育園リトミックの指導案作成・職員研修を行いましたが、指導案の施行上の留意点を考えていく中に、改めて多くの気付きがありました。
リトミックにより幼児(未就学)期にも、しっかりと「考える力」や「コミュニケーション能力」を身に着けることが出来るのですが、他にこんな良いメソッドは…?無いよな…と思います。

以下、今月の各年齢別の“ねらい”を紹介します。

1歳クラス

・音に興味を持ち、楽しむ。
・「平衡感覚(バランス)」をきたえる働きかけとして、音に合わせてダイナミックな動きを楽しむ。
・スキンシップで、活発なコミュニケーションをとる。

2歳クラス

・歌や音楽に触れながら、お友達と手をつないだり、輪になる活動を楽しむ。
・模唱(まねして歌う)により認知力を高め、見る・判別する・声を出すことのコントロールを覚えていく。
・言葉によるリズムを楽しむ。記憶する。

3歳クラス

・音楽に合わせた様々な表現活動を楽しむ。
・イメージによる個々の表現力を活かしながら、創作意欲を高める。

4歳クラス

・生活の中での経験を 音楽とともに再認識・追体験し、音楽と一緒に動くことを楽しむ。
・自分で描く(創作)場面の展開を楽しむ。自由な発想・表現。

5歳クラス

・「違い」や「法則」に気付き、自分で考える力を伸ばす。
・気づきを発表し合い、音に合わせていく事をみんなで楽しめるようにする。

保育園でリトミックを取り入れるメリットは、年齢やクラスに応じたカリキュラムの構築と、継続による浸透・積み重ねが出来ることです。
生活の多くの時間を園で過ごす子ども達にとって、リトミックが普段の保育や様々な行事と連携し施行されることで、活動が身近であることは、とても良い環境で効果が期待できます。

リトミックの学びの特徴は、「身体性」だと思います。
身体の使い方やコントロールが上手くなることで、個人の身体表現のボキャブラリーを増やし、自分を生き生きと表現していけるようになります。
もちろん、バランス感覚も養われて、各部位への力の入れ方や筋肉の動かし方、バランスのとり方や脱力も上手くなり、日常の動作や行動もスマートにできるようになります。
こうしたことから、集中力や積極性が育ち、探求心へと結びついていくのだなあと子ども達を見ていてわかります。
そして何よりリトミックの活動は、音楽が中心にあることで、子どもにとって「楽しい遊び」でありながら教育になるのが凄いところです。
聴いて・動いて・考える・伝える、そしてより深く聴いて行けるようになるという循環で、将来の思考力のもとになる感性が育ちます。

来年度からスタートする高校の新学習指導要領では、

〇主体的、対話的で深い学び
〇自主的、主体的・自立的に学ぶことが、加わっているとのこと。

答えのない問題に挑み、解決方法を自分なりに見つけ出し、仲間と共有することで生きる力を身に付けていくという教育法がこれからの教育の目指すところとなり、授業も様変わりしていくのでしょう。
そこで問われる「興味」「観察力」「思考力」に必要なのが、センシティブであるという事=感性なのではないでしょうか。
リトミックで幼児期に養われる力は、きっと将来に大きく生かされるだろうと思っています。