藤原由紀乃 ツィーグラー奏法のレクチャー・演奏と公開レッスンを開催しました。

 

2/26(日)多くのご来場者がお越しくださり、ツィーグラー奏法による「優しく深いピアノの響き」を皆様と一緒に味わい共有することが出来ました。
ありがとうございました。
先生が舞台に立たれると、会場全体がなんとも言えない優しさと深い包容力、空気に包まれ、優しい声で語られる音楽に対する一言一言が、聞く人の心に沁み込んでいくようなレクチャーでした。

・一音一音心を込めて演奏をして、演奏を聴く人にも音楽の喜びを持ち帰ってほしい。
・音を響かせる為の自分の心の有り様に注目すること。
・ピアノ(音楽)を演奏することは、どれだけ指が早く回るのかを競うものではないのだから、聴く人も弾く人も心にお土産を持って帰れるように、車窓から眺める景色をもっと楽しみ味わうように奏でていきましょう。
・音楽を楽しむために、自分なりのストーリーを描くこと。自分の音、世界(物語)、表現を大切にしてほしい。そのための理想の音をイメージし、タッチを吟味し、弾いた後の響きを次の音の直前まで聴く。
・分散和音は各音が織物のように紡ぎ合うハーモニーの上にメロディーが引き立つのだから、伴奏だからと隅っこに追いやってしまわないように。

こんな数々のお話から、藤原由紀乃先生の様な一流のピアニストが、何を大事にされているかを窺えたように感じました。
また、多くの方々が、先生の「音楽が好きということは、もうそれだけで音楽性が豊かだということ。子どもでも大人でも音楽が好きということは、すでに大きな才能があること。」という言葉にとても励まされ、これからもっと音楽を楽しんでいけそうです!と喜んでくださいました。

その後の先生の演奏では、まろやかで奥深い心地好い音のピアノ、音の広がり、音楽の深み・変化を間近で感じ、会場全体で至福の時間を過ごしました。
今回初めて先生の演奏を聴いた小学生達も、「涙が出そうだった。」「ものすごく良い音だった。」「感動した!」とその演奏に衝撃を受けた感想を聞かせてくれました。中高生も、自分が弾いたことのある曲を先生が弾いてくださったことで、自分の演奏への大きな気付きがあり、ピアノに向かう事への心の転換が出来たようです。

午後からの公開レッスンは、「受講生の方々が、すごい集中力で1つ1つの音を大切に出しながら演奏する姿に感心しました。客席にいたお子さんも集中して聞いていたのに、更に驚きました。凄い公開レッスンでした。」と好評をいただきました。

・生徒の皆さんが全身でその意味を表現されているその空気を共有させて頂けたことがとても嬉しいことでした。凄く緊張感のある、その中に精神をゆっくりと解放させていく、そんな美しい空気感でした。
・「音がどうして欲しいかを教えてくれる」というのは思いもよらぬ言葉でした。「音を聴き抜く」「高いところで聴く」「たとえかすれてしまった音が出たとしても、注意深くその音を聴き続けるとちゃんと応えてくれる」など先生の言葉がけも素敵でした。

子ども達によるツィーグラー奏法の公開レッスンは、今回初めての企画でした。
後日、多くの方々から感想等をお寄せいただき、公開レッスンの後に質疑応答の時間を設けることやツィーグラー奏法は初めてという方へ解説を加える公開レッスンの工夫など、次に向ける方策も考えさせられました。
音の響きだけでなく、「ツィーグラー奏法は、音楽と一体となれる自然な暖かい奏法」という事も、今後皆様にお伝えしていけたらと思います。