「ピアノを奏でる」ことを学ぶとは・・・

florist01先日、ピアニスト:藤原由紀乃先生の「ベアタ・ツィーグラーの『魂の耳で聞き・奏でる自然なピアノ奏法』によるレッスンを2名の方に受けていただきました。

中学2年生のK君は、心身ともに成長期で、手もぐっと大きくなり、ここ数回はその大きくなった手を鍵盤上でどのように自然に動かしていくかを 指使いも含め、教えていただいています。

手も大きくなりましたが、精神的にも成長し、藤原先生の芸術性の高い・深いレッスンを受け、少しずつ音楽に対する謙虚な気持ちが育ってきています。

数年前からレッスンを受け始め、昨年7月からは毎月継続しているだけに、音を磨きこんでいくことに真剣です。

聴き方が深まるに連れ、要求される事が本格化して、妥協がありません。レッスンを後ろで聴くだけでも疲れましたが、全身・全神経を集中しきって完全な音を求める1時間、「新たな確信を持てたでしょ。」とレッスン終了後先生に褒めていただきました。

曲は、Beethoven Sonata No.1-3楽章でしたが、先生の音へのコメントを聞いているとBeethovenが「楽聖」と呼ばれる由縁に触れることができます。

Florist02ほんの僅かな音の揺れ動きに希望・深い愛情・不安・勇気etc.・・・崇高なる人間性の超越、それ程の内容を抱えているのかと驚くほどですが、ツィーグラー奏法では、確かにそれが聴こえてくるのがわかります。

また、ツィーグラー奏法を習い始めてまだ3か月という大人の方も、初めてレッスンを受けられました。

音大を卒業され、専門的にずっと勉強を続けてこられた方だけに、「音楽」への造詣は深いものをお持ちで、呑み込みが早い!

極上のピアニッシモで一音を集中して聴くことからレッスンは始まりますが、その後は曲の中でも音の聴き方がどんどん変化して、これまでの弾き方ではこれ以上進めないことをご自分で悟られました。先生も「筋がいい。これから凄いことになりそうですね!」と太鼓判を押してくださいました。

「あまり難しく考えすぎないで、先生が弾くとおりの音を真似していくようにすればいいということ」と、先生は仰いますが、そのためには先生の弾いてくださる音をどこまで深く聴き取れるかが大事です。目をつぶり、大自然の中で風のそよぐ音や小鳥のさえずりを聞いていくような気持ちで、心を開放し身を委ねていくように聴く。

音楽は人に与えられた最高の贈り物、などと・・・よく言われる表現ですが、「奏でよう」とするとピアノは語りかけてきてくれます。

Florist03

それにしても、先生の弾いてくださる音は、澄みきって柔らかく心の底に響き渡り感動的です。


藤原由紀乃ピアノリサイタル【大阪公演】

2013年6月8日(土) ザ・フェニックスホール 午後6:00開場 午後6:30開演

ぜひ、皆様もお出かけください。