〈ピアノ発表会2020〉開催しました

今年に入ってから、新型感染症防止のため3月~6月の4か月間、ピアノ・リトミックともにオンラインレッスンになりました。 慣れないレッスン形態でしたが、長い「お家時間」の中で皆さん練習にしっかりと取り組み、とても上達されました。当初春休みまでの「休校」が、4月の「緊急事態宣言」を経て、実際に会うことが出来ない状況が7月まで続きましたが、5月には「ビデオコンサート」を行い、音楽を通してみんなと繋がっている楽しさを味わうことも出来ました。皆さんにとって、音楽を学ぶことの意味が深まったように思います。

音楽は人の心を包み込み、支えてくれます。
音楽に触れることで幸せを感じることが出来ます。
音楽に気持ちを託し重ね合わすことで、人生の豊かさを実感できます。
最近『ストリートピアノ』といって、公共の場にだれでもいつでも弾けるピアノが置かれるようになりました。テレビ番組でも『駅ピアノ』『空港ピアノ』という世界中のストリートピアノの様子が紹介されています。演奏者が思い思いに心を込めてピアノに触れる様子が素敵で、その音楽に惹き込まれます。またインタビューで語られる、演奏者が音楽とどのように関わってきたかの内容にも、その人の人生が凝縮されていて心打たれます。音楽の持つ力の多様性が見える形となって、その価値が改めて実証されているように思います。
ところで、分析手法の一つに感覚史という分野があり、「五感の感じ方は個人の生物学的現象に留まらず、社会的・文化的要因によっても規定される」という捉え方をするそうです。ピアノを学ぶことが、誰もが文化の担い手である自覚を持つことに繋がるように、様々な機会・環境が増えてきました。皆さんの学びは、これからの社会の中で生きてくると思います。

さて、今回は新型感染症対策という例年とは違う課題がありながらも、舞台関係者やおうちの方々皆様にご協力をいただき、無事にピアノ発表会を開催することができました。
皆さん共に本番の舞台を楽しみ、とても良い演奏が出来ました。
「本番が一番上手に弾けた!」という人が多かったようでしたね。^^;
私も舞台袖で聞きながら、舞台上で堂々と演奏するみんなの姿が頼もしく、また演奏後に戻って来る時の満足そうな表情に「発表会っていいもんだなあ…」としみじみと感じていました。

特に今回強く感じたのは、自分の演奏が出来るようになってきた人が増えたことです。
演奏者が“自分の中から湧き上がってくる音楽”を感じられるときに、たとえ完璧な演奏でなくても聞いている人にそれが伝わり、心を動かします。
自分を表現できる曲と出会うことも音楽を学ぶ醍醐味ですが、「この曲に出会って、表現することが楽しくなった」という経験ができた発表会になったと思います。コメント欄に「今まで弾いた曲の中で一番好きな曲です」と書いてくれた人もいました。
そんな訳で、終わりの挨拶の時に「聴き応えがありました」とお話ししましたが、私もみんなの演奏を楽しませていただきました。弛まず続けてそれを本物にしていって欲しいです。
そして、これからもたくさんの曲を弾いていけるようにしっかり練習して、「目には見えない自分だけの財産」を築いて行ってください。

今回はリトミックの発表はありませんでしたが、レッスンではどんどん新しいことをやっています。
異年齢クラスのレッスンで、小さい人たちのクラスでも「〇〇ちゃんが出来たよ!」という声が聞かれるようになってきました。小学生の経験者クラスでは、特に最近「歌う」ことを重視していて、「弾き歌い」やみんなで声を合わせていくこともだんだん上手になってきました。音楽を共有しあえる仲間がいることの喜びも益々強く感じてもらえるようになると嬉しいです。レッスン重ねて、またいろいろな発表ができるようになっていくと良いなと思っています。