2012年の夏
仕事をしながらのハードな勉強に、ダウンした7月終わりから8月。漸く回復したころに始まった、名古屋での6日間のリトミック講習会「ダルクローズ国際セミナー」。
今回は、イギリスから現在の世界トップレベルの先生であるカリン・グリーンヘッドのレッスンが6日間毎日3時間受講できるとてもスペシャルなチャンスだった。
午前中3時間みっちりと、まるでフルコースを食しているような上質で濃密なカリン先生のレッスンを受け、午後からは、ソルフェージュ・キーボードハーモニー・即興・ティーチングと計3~4時間の授業で、その後もスタジオを借りてピアノの練習、夜はまたホテルの自室で持ち込んだキーボード相手に寝るまで試験勉強。(作曲、編曲、レッスンの課題に応じた弾き方等、高度かつ多岐にわたる試験内容で、音楽要素への知識・表現力・技術力が求められる。)
リトミックは、身体と頭を調和させながら働かせる。
カリン先生のレッスンで使われる、シューマンやショパンのピアノ曲、チャイコフスキーやハイドンの管弦楽曲、バルトークの弦楽四重奏、それらから音楽を聴き取り身体表現を通しながら思考していく。分析=表現=音楽性が一体化していく体感である。
今回、レッスンを観察・記録しレッスン後に先生とディスカッションするという、これまでにない勉強もあった。まだまだ言語化するまでの回路は開発されていなかったので、あまり手応えなく、今後の課題となる。
音楽とは、エネルギーの流れである。リトミックレッスンは、それを丸ごと空間の中で体感させられる。そこに言語による具現化というメスを入れる作業から手繰り寄せられる音楽の本質とはどんなものだろう?これまで多くの音楽家たちが直感的に獲得してきた真相を少しでもシェア出来るだろうか?
そこに至るまで、まだまだ私には体の動かし方の部分で多くの課題=不自由さがある。そこに取り組みながら、新たな発見をしていけることが楽しみである。