保育園リトミック職員研修
4/15(土)、新年度始まり、新クラス担任が、各クラスの子ども達の様子をつかめ始めたタイミングで、新職員含めての「リトミック職員研修」を行いました。ここは、出張指導に行き始めてから14年目になる保育園で、10年以上の経験者からリトミックは全く初めてという人まで11名の参加でした。
経験の長い職員は、幼児から未就学児までで経験するサブジェクト― ビート・休符~補足・拡大縮小まで、一通りの経験がありますが、今回は各々 改めて基礎の基礎から学びたいという要望により、午前のレッスンで、
リトミック : ビート、2倍関係のテンポ、動きのアナクルーシス・クルーシス・メタクルーシス、拍子、
ソルフェージュ : ピッチ、全音・半音、音階、
即興 : リズムパターンを意識したリトミックソングを自作しよう!
午後より、午前中に動いて経験した内容についての解説と、各クラスへの応用についてのレクチャー、及びリトミック指導経験のある保育士による「保育内容とリトミックのリンクに対する考察」の発表。各年齢に応じた絵本を使った子ども用レッスンの実際、そして最後に先生たちのためのリトミックレッスンとして、「バイナリービートの等分割」、というプログラムで、10:00~17:30まで、一日ぎっしりと詰め込みました。
中でも、自作の歌を作るコーナーはとても盛り上がりました。「難しく考えるより、会話に音をつける感覚で楽しめた」というポジティブな感想や、「日頃の保育現場における自己主張の弱い子どもの気持ちになっていた自分がいた」というベテラン先生の正直な感想まで様々。採譜してある、過去の研修における優秀曲も発表して、これからのスキルアップを促しました。
その他の感想を紹介すると、
・ピアノの音を聴いて動き出すと楽しく自然に体が動くが、自由表現や即興になると固まってしまうので、頭を柔軟にしながら少しずつ出来るようになればと思う。
・動きがワンパターンになりがちで、子ども達に様々な動きを伝えるために、まず保育者自身が様々な動きのバリエーションを習得したい。
・もっと全身を使って柔軟な動きにしていきたいと思う。
・子ども達への指導を意識する上で、体を動かしながらも「今は何をしているのか?この項目だったか?」と、自分の頭の中で整理しておかないと、意味がないと思う。
・日々の生活の中での経験を活かしながら、子ども達が楽しく行えるように考えていきたい。
・自分の声の音域が狭いことに気付いた。
・子供に提供できる童謡をもっと知っておくべきだと思う。
・きれいな優しい声で、正確な音程で歌えるように、練習をしなければいけないと思います。
など、保育士らしい感想が多く寄せられました。
この一年、担当する子ども達と、リトミックを通して楽しい時間を過ごし、「自分で考え行動する子ども」「表現できる子ども」としての成長を見守っていただきたいと思います。
さて今回の研修指導にあたり、私のパソコンの新旧チェンジ作業から、過去の様々な資料に目を通す機会がありました。そこで痛感したのは、「子どもの姿の変化」です。10年前の子ども達と今の子ども達の様子は、明らかに違ってきています。指導の難しい子どもが増えています。
クラスの中に、個々の理由から集団行動の取れない子どもが複数人数いて、クラス崩壊が起きそうになっているので、現場の先生たちは本当に大変です。家庭での子どもへの密な関わりが薄れていることは否めません。
リトミック指導に行きながらも、そういう子ども達個々への具体的ケア、と同時にクラス運営の仕方、保護者への対応なども先生たちと一緒に考えています。