2022年度PTNAピアノコンペティション(地区予選)にチャレンジしました
コロナ感染対策を取りながらのレッスンが続く中、第46回PTNAピアノコンペティションに6名の方が参加されました。
今年は「舞台で弾く」感覚を取り戻すことからのスタートで、皆さんの目標も様々でした。読譜の力もあり初見力も強いけれど毎日の練習継続が難しい人は「毎日練習する」ことを目標に、またこれまで予選前に4曲揃えて弾くことが出来なかった人は、「曲を仕上げるスピードをつける」ことを目標に、これまでチャレンジ経験のある人は「以前の自分の成績を超える」など、自分で目標を立てて取り組みました。
5月末には教室内の試演会で、4期のスタイルから3-4曲を披露し、曲の仕上がり度をチェックして、久しぶりに舞台で弾く緊張感を味わいました。
舞台で弾く時には、ピアノの違いや会場に響いている自分の音の響きに気付くことなど、いつもとは違う感覚を使います。強弱の幅や、高低違う音域の響きのバランス、曲想の表現など、いつも以上に注意して弾くことを学びました。
参加した8名が、お互いのリハーサルも聞き合い、お友達の演奏が変化していく様子を間近で見聴きしながら、色々なことを気付くきっかけになりました。自分で吸収し学び取っていく力を磨きました。
さて、予選の結果は予選優秀賞1名、予選奨励賞2名。
思っていた結果を出すことが出来なかった人もいましたが、なぜそういう結果だったのか?自分のこれまでの練習に何が足りなかったのか?を知ることが出来ました。
マイペース楽しく取り組むことも「音楽」にとっては大切ですが、もっと素敵な演奏が出来るようになるにはどうしたらよいのか?を知っていくことは、「音楽の素晴らしさ」に深く触れていけるようになるので、自分にとってより音楽が大切なものになっていきますね。
賞をもらって「やったー!」で終わりにするのではなくて、今回は一人一人が日々コツコツと努力していく大切さに気付くことができたようです。「もっと出来るぞ!」という自己評価が高まって、上達していこうという意気込みが感じられるようになりました。
コンペティションでは、年齢の低い学年の参加者はとても多いのに、高学年になるにつれ参加人数も少なくなり曲の仕上がり度も優劣の差が広がっていきます。
そんな中、今回D級で予選奨励賞をいただいたIさんは、小さい時には曲の進度は早い方ではありませんでしたが、譜読みの能力が高く、C級からコンペティション参加をはじめ、今回D級で賞状をいただくことが出来ました。
譜読みの能力というのは、ソルフェージュ力です。Iさんは、小学生の間もずっとリトミック(ダルクローズメソッド)で生きた楽典を継続して学び、楽譜から音楽を読み取る力を付けて来ました。それによって正確な読譜=つまり、楽譜から読み取れる音楽(音のイメージ)を鍵盤上で表現するという〈頭の使い方〉が構築され、高学年になり自力で理解しながら時間をかけてピアノの練習が出来るようになり、今回の結果に繋がったと思います。
お母様からも——この前の予選を聴きながらふと「指の動きのスムーズな子なら指導する先生の教えた通りの完コピで予選通過もあり得るのでは?」と思いました。その部分を先生は時間をかけてIから引き出す形で教えてくださっているので、「良かったな~」とIと二人で喜んでいます。—–とお話し聞かせて頂きました。
コンペティションという本番に向けて頑張る機会は、より一層自分を磨いていく心の強さ、粘り強さや、観察力・推進力が育つ素晴らしい機会となります。
そんな皆さんの成長の様子を伺えることは、指導者冥利に尽きます。
「100回の練習より1回の舞台」といいますが、この経験が更なるモチベーションになり、皆さん次のステップを目指しておられます。楽しみにしています!