公教育に必要な「ピアノ力」

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来年度担当授業のシラバス検討。
教育・保育の場における表現力・実践力重視のピアノレッスン。

弾きやすく、音楽的内容も様々な内容を網羅した曲集を使用している。
また、既成の子どもの歌を動きのための曲に編曲したり、絵本に音楽を付けたり、イメージ活動にふさわしい音色で表現する奏法、などなど。

教授したい内容は山ほどあるが、問題はどれだけ学生の興味を引き付け、学び技術を習得していこうとするやる気を引き出せるか。
学ばなければならないことは、たくさんある。問題は、学生の学びの要求に結び付けていく、提示の仕方でもある。
現場で役に立つこと、と、まだ実感のない学生にとって、様々な実践方法を学ぶことは、できれば楽しいが、そうでない場合は、簡単に単位取得を放棄していく。
養成校でピアノを教える意味、教わる意義、もっと議論されるべきと感じる。

かのツェルニーも、「取るに足りないつまらない曲でも、演奏する側の表現力によって聴き手にとって魅力ある興味深い曲になる」・・・と言っているが、我々の目標は当にこれ。
簡単な曲をとおしてでも、子どもたちの感性を刺激し、生き生きとした活動を引き出せる力を育てること。

ピアノを弾くことが、決められた鍵盤を押さえるということではない、ということを知ることが、始まりとなる。

音の表情を聞き分けられるようになってきた学生は、練習に工夫がみられ伸びが早い。いつも思うが、ピアノの上達は、二次関数的な線を辿るようだ。

子どもの聴覚は、能力的には大人と変わりない。
音楽教育において「こども」をどう捉えるかは、とても重要な視点。

聴ける耳を育てるという観点から言えば、大声で歌わせることは決して活き活きとした表現とは言えず、怒鳴ることと歌うことは違う事と指導することは必要不可欠。
楽器の音色への繊細な感覚を子どもと共感できる指導者になって欲しい、そのための器楽の授業であるよう、日々、また格闘なのである。