Jack Stevenson先生のリトミックレッスン

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ジャック先生のレッスンは、笑顔とエネルギーに満ち溢れています。

先生が「この教育法の実践的な知識をとおして、私は音楽家・教育者としての自分の本能を信じ、自己否定することなくそれらを自由に遂行できるようになった」と述べておられるように、生徒への受容と称賛と激励の言葉がけの数々は、生徒が安心して自己解放できる土台となり、音楽への愛情を深める精神性と同時に、リトミックが「人間教育」であり、先生が「ダルクローズの教育哲学」の紛れもない実践者であり、その姿を通して「リトミック」の素晴らしさを示しておられると感じます。

リズムの起源は、ギリシア語(の詩)に由来することについて、実例を挙げ説明してくださり、先生のしなやかで躍動感ある動きとともに記憶され、先生の素敵な即興演奏にあわせて動くことで、それぞれのリズムに内在する抑揚やアクセントを深く理解できました。

また、西洋音楽の基礎となる拍子の感じ方についても、拍子の変化による各ビートの役割について、これまで学んできた視点とは違う「press感の変化」という説明に、神髄に触れたという心地がしました。クルーシスは重力に反する力であるという説明もあわせ、それを知ることにより、音楽の流れをより立体的に分析し、理解し、活き活きとした演奏に結び付けていけます。

このような、西洋音楽の本質にかかわる部分は、楽器のレッスンだけではなかなか学ぶことは出来ないと思います。よく「血の違い」などと簡単に言われていますが、リトミックは、そういう難しさを克服していけるのです。

日本における音楽教育は、世界的な視野に立ってみてみると、本当に「音楽」を伝えられているだろうか・・・と思うことがあります。
緻密な理論と、ダイナミックな表現。ジャック先生の音楽理解の深さは、どのように獲得されていくのだろう・・・?

私自身がもう少し成長したら、より先生のレッスンの素晴らしさをわかるようになれるかもしれないと、そのようにも感じます。