Karin Greenhead先生のリトミック・レッスン

Karin Greenhead先生は、「芸術家のためのリトミック」を提唱し、実践している第一人者。洞察力の鋭さ、芸術に対する感性の豊かさは逸脱していて、常にリトミックの世界に刺激を与えています。

先生のリトミシャンへの言葉にも、リトミックとは?という命題に一つ理解が深められました。

「ダルクローズのサブジェクトが、本当は何を意味するのかを理解しなければなりません。それは、音楽の中だけではなく、生活や全ての芸術の中に存在します。アナクルーシスが音楽の世界の中だけでなく、自然、人間の営み、詩、舞踏、演劇、文学、映画、視覚芸術の世界の中にも見出されることを理解したとき、何故、リトミックが素晴らしいかを始めて理解することができるでしょう。芸術家を養成し、すべての人の総合教育に寄与することができるのです。」

Karinがリトミックレッスン中に弾いた、Bachフランス組曲1番のサラバンド…神秘的で瞑想性に溢れ、深かった。これがあの曲⁈という感動。原曲が弦楽四重奏だったかと思う程に、一音が豊かに伸び重厚な響き。これが大家の演奏というものだろう。

また、様々なサブジェクトを盛り込んだ今回のレッスンの中で、「How Do You Feel Today?」
という、人の様々な表情が描かれているプリントが配られ、自由に選択しその気分を身体で表現する、という時間があった。
参加者一同、日本人であることを忘れて(笑)おおいになりきって、お芝居をする。リトミシャンは、こういうことには慣れている。
が、そこからが、Karinのレッスンの醍醐味である。
その、つたない(?)動きにつけられた先生のピアノ演奏が、素晴らしい!!
空気が一度に、ヨーロッパ音楽の世界に変化する。
リトミックレッスンのピアノ演奏は、即興演奏である。
しかし、美しく楽しい音使いでありながら、あたかも作曲された曲のごとく、完成度が高く、ドビュッシーか、ガーシュインか、バルトークか・・・というほど、質の高い即興演奏。

圧倒的な、「音楽」に触れ、大いに勉強できた講習会であった。