Gabriela Chrisman(ガブリエラ・クリスマン)先生のレッスン

ダルクローズ・リトミック春期国際セミナー 2013 受講してきました!

3/29~4/3の6日間、毎日Gabi先生の3時間レッスン、他クラスのレッスン見学と解説、キーボードハーモニーやダルクローズソルフェージュetc.と、今回も充実した内容でした。

この頃思うことの一つに、「どんな事にせよ、相手に伝わるように、わかりやすい言葉できちんと説明出来る事の大切さ」というのがあるのですが、ガブリエラ先生のレッスンは、ドンピシャリとこれに嵌るものでした。

説明が的確でうまい!

リトミックレッスンとは如何なるものか?

ダルクローズの手法とは?

それが実際のレッスンの中でどのように使われ、作用し、結果を引き出していたか。

指導者としての視点や、進行の際の留意事項などなど。

シンプルなものからの発展のさせ方も、非常にシステマティックでわかり易い。

まるでチャート式参考書のごとく、レッスンの中で生じている現象をわかりやすくひも解いて、解説してくれました。

おかげで今回の受講ノートは、「宝の山」となりました!

先生のレッスンは、ゴージャスで芳醇・濃厚な音の世界とは反対の、飾りを削ぎ落としてシンプルさを追求したベイシックな「美」・・・日本人の感覚に近いな~と思いながらレッスンを受けておりました。

6日間繰り返しやった、バイナリ―ビートとターナリ―ビートのサブディヴィジョン、手を変え品を変えこれだけやったら確かに身に沁みます。でもこのビートという最小単位の中にあるリズムの抑揚を深めれば、それらを組み立て・構築した時に、隙のない美しさが感じ取れるようになります。

最近読んだ本の中に、宇宙の調和・人間の摂理と音楽との関係が書かれていて、法則性という観点から音楽を考察する面白さを知ったのですが、ガブ先生のリトミックは正に「人間の精神・神経・肉体の調和及びその法則性」を論じているようだなと感じました。

それが顕著だったのが、今回初めて行われた「シニアの方々へのリトミック」公開レッスンでした。

ジュネーヴでは、40年以上シニアリトミックの歴史があり、お医者さんと共同で研究が進められているのだそうです。

リトミックレッスンを受けている高齢者の方が、一定の刻みで安全にバランスを取って歩けること、またリトミックの特徴である音楽の中から何を発見して動くかということから、集中の持続力もとても高く、アルツハイマーの方にとっては、動きや記憶を呼び覚ましたりする効果も実証されるなど、医学的にも大きな発見があったのだそうです。

ガブリエラ先生は、レッスン後の解説の中で「彼等の人生に関わることをリトミックの中で扱うようにしている」と話されていましたが、知的・繊細・システマティックなレッスン運びと抑制の効いた的確な音楽による指示は、初めての方々でも迷いなく楽しく活動に集中し、終了後には活き活きとしたエネルギーで満たされている様子でした。

「リトミック」が人に与えるものは、本当に素晴らしいものです!良い指導者が多く育ち、日本の中で様々な年齢の方々に広まっていけばよいなと思います。

私個人的な問題としては、まだまだ分かっていない事・足りない事・出来ない事・見えてない事が山積で、壁にぶつかり削られ・落ち込みながらの日々でしたが、その中から湧き出してくる新たな自分・汲み上げられることを欲している奥底にある表現する欲求を同時に発見できたこともこのセミナーの成果の一つでした。