2013年、新しい年に

2013年、新たな年が始まりました。

年越しの時間、静寂の中に響く除夜の鐘の音を聴きながら厳かな気持ちで、行く年を思い返しつつ、新年を新たな気持ちで迎えました。 日本の、こうしてお正月を家族で少し厳かな気持ちで迎える風習は、心のリラックスにとても良いものだなと感じます。

今年は、ワーグナーとヴェルディの生誕200年、そして日本の作曲家高田三郎さんの生誕100年を迎える年だそうです。

私が大学を卒業し、暫く東京の養護施設に勤めていた当時にピアノのレッスンをしていただいていたのが、娘さんの高田江里先生です。
清瀬から成城の高田先生のお宅まで、仕事をしながらの練習でなかなかまとまらない曲をレッスンしていただきに伺い、「出来上がったものを聞かせてもらわなくてもいいのよ。むしろ練習途中にどう取り組んでいるかを見せてもらえる方がいいの。」と、さばさばと快活なレッスンをしていただきました。
横で弾いてくださる音にドイツの重厚な響きを感じたような気がしましたが、それは先生の心の厚さでもあったのかもしれません。

もう四半世紀も前のことになりますが、音楽とは直接関係のない仕事をしながらも、音楽家として音楽と向き合うという事に深い理解を持ってレッスンしていただけたことは、今でも不思議なくらい幸せなことだったと思います。
その高田江里先生は今年、お父様のピアノ曲を中心に、記念リサイタルをされるそうです。

年の初めにいただいたそのお知らせに、様々なことを考えさせられました。

中でも、「父が使命の一つと信じ、作曲した多くの合唱曲が、・・・」という言葉には、「音楽の在り方」についての深い示唆が感じられます。
「音楽」は、人間に授けられたものということ。

「音楽は、地下水脈を流れすでに存在しているものであって、私たちはそれを吸い上げて表出させるポンプのような役割を担っているだけです」との由紀乃先生の言葉然り、音楽に携わる心が備わっていくための日々の心がけを大切にしようと新年に思いを新たにしました。

さて一年後、少しは成長を実感できる自分になっているかしら・・・?