音楽を学ぶための耳を育てよう!

2014-04-10 13.47.50

ハンガリーやフランスなど音楽大国と言われている国の幼児期・児童期の総合的な音楽教育のシステムは、大変充実しています。

楽器のレッスン以外に本格的なソルフェージュ、音楽理論、民族音楽、パーカッションレッスン、アンサンブルなどをそれぞれ週に1・2回のペースでレッスンを受けるのだそうです。

特にフランスでは、楽器を習い始めるにはソルフェージュのレッスンを一定期間受けていることが必須条件になっています。

様々な有名な作曲家の実際の曲を使って、楽典的にもソルフェージュ的にもいわゆる「音楽を聴く」耳を十分に育ててから楽器のレッスンに入るシステムになっているのです。

楽器のレッスンって、あまりに時間の制約があり過ぎて、指の動かし方だけで30~40分のレッスンなんてあっという間に終わってしまいます。

指が動けば曲は弾けるのですが、音楽のことが分かっていないと行きづまりは早いです。

ピアノ曲だって、本当に色んな曲があって一生かかってもすべてを弾きつくすことは出来ないほどですが、子ども用の曲集のレベルが過ぎると、「弾きたいと思う曲がない」と、他の様々なことに優先順位が向く時期とも重なり、ピアノから離れてしまう事が多いのが実情です。

「音楽を一生の友に」・・・単なるキャッチフレーズにしてしまいたくないと思っています。

少し難しい話になりますが、

音楽は非常にシステマティックなもので、規則上に成り立っている建築物のようなものです。

例えば、楽典の本に必ず出てくる「音程」について。

旋律を構成する音程、バスからの音程、声部間の音程、どれもそれ自体が調和や緊張などをもたらし、大変重要です。

同じ音程でも、シャープかフラットかナチュラルかでテンション、方向性が変わります。

調性、度数(和音コード)、機能、声部ごとのテンションと引力、次の進行の可能性、その心理的影響が何をなしうるか。

書くと難しくてなんのこっちゃ?!ですが、

例えばこれを4歳さんのレベルでは、明るい・暗い、引っ張られる音と解決する音、ほっぺたをくっつけてるような響き、肩を組んでいるような良い響き、大きな丸を二人で作っているような響き、etc.という説明をしていきます。

もちろん中学生以上になれば、本格的な音楽用語を使っていきます。

どんなに簡単な曲でも、休符・フェルマータ、フレーズ間の音の切れ具合、転調etc.

それらを音楽的に扱うことで演奏はグ~ンと高級になるのです。

今弾いている音だけを聴くのではなく、音楽の流れの中でそれぞれの音がいかに存在しているかを注意深く聴き取っていく耳を育てる事が重要ですが、

ピアノの前だけで説明するとなると、「お話を聞いて!」「音を聴いて!」とどうしたってテンションが下がっていってしまいます。

子どもは元気に身体を動かすことから、多くを学べるものです!

ダルクローズ・リトミックでは、様々な身体活動を網羅してレッスンしていきます。

放っておくと、多くの場合音楽の学習時期(最適期)が遅れてしまう。

耳からの音感の発達と、身体をコントロールすることで育つリズム感の発達は、時期がずれているという事もあります。

音楽の学習でニュアンスのセンスを磨くことが大事です。

例えば、影や色合いなどの光の反射を見分けたり、重さをはかったり、物事の比率を比べたり、触って事物の形を見分けたりする、音の響きの違いを聴き分けたりするなど、これらの事が良く出来ると日常生活の中で大事な役目を果たしますね。

このようなニュアンスを分析する能力を高めていくためにも、視覚・聴覚・触覚などの五感を使ったリトミックレッスンは非常に有効です。

インプット能力ばかりが高められたとしても、アウトプットが上手くいかなければ片手落ちというものです。

感じたことを表現する力、人とうまくコミュニケーションを取り心地よく自分を解放出来る事など、リトミックレッスンの中ではそういう感覚も磨いていきます。

音と身体を使った活動・・・なかなか有意義な教育法で、お勉強とは違う大事な能力開発方法の一つだと思います。

ちょっと話が広く浅くになってしまいましたが、

ピアノレッスンとリトミックレッスンの並行の必要性について、述べさせていただきました。

忙しい毎日ですが、上手に時間を使ってレッスン、頑張っていきましょう!!