子どもの歌を素敵にうたおう!

今日は、保育園から送られてきた「いちご」(作詞 高木あきこ 作曲 越部信義)という、幼児向けのとてもかわいらしい曲の歌唱指導の様子のDVD添削をしました。

担任として現場で子どもたちに「歌唱指導」を実際にどうするのか、保育士・幼稚園教諭養成の学校できちんと習ってきている人は、案外いないものです。
ほとんどの先生方は、実際に教え始めてから試行錯誤しながら、「うた」の教え方を模索しておられるのではないかと思います。
という訳で何かのお役にたつかもしれないと思い、全ては書ききれませんが、少し紹介したいと思います。

1.歌唱指導に必要な3大ポイント

1)、正しい姿勢・呼吸の仕方・正しい発声と発音

2)、歌への理解(先生がどのように何をその歌で伝えたいのか、子ども達がどう感じて歌っているか)

3)、子ども達の出来具合はどうであったかの評価をきちんと伝える(良かったところは?良くなかったところは?)

2.その歌の指導ポイントをきちんと勉強しておく

1)、拍子は?

2)、特徴あるリズムは?

3)、メロディーの歌いかた(主に音程)、ブレスの場所は?

4)、強弱は?

5)、休符は?

この2点は、どんな曲をやるときも必ずおさえていかなくてはいけないことです。

子どもだからどんな歌でも元気に楽しく大声で歌っていればそれで良し!なんて…、そんな先生はおられないと思いますが、歌唱指導ひとつのことでも感性豊かに、教え込むのではなく、子ども達と一緒に、その歌に込められた作詞家や作曲家の想いを感じ取り、楽しめる先生は、普段の他の保育の場面でもきっと素敵に子ども達との時間を工夫し、子ども達の心を育てていけると思います。

いちごさて、次にこの「いちご」の歌の指導についてですが、

1.スキップのリズムの軽やかな楽しい雰囲気が伝わっていますか?

2.歌詞が表現しているイメージを伝えていますか?

3.子ども達が普段の生活の中で持っている「いちご」のイメージについて話し合いましたか?

4.この歌の表現する「いちご」について話し合いましたか?

5.子どもがどう感じているかを聞いてみましたか?

6.子ども達は、自分の出している声がどのような声か気付いていますか?

7.先生は、自分の声がどのように子どもに伝わっているか配慮しましたか?

8.強弱について考えてみましたか?

まず先生が、この歌を良く味わうことが必要です。子どもたちの歌い方は、先生の感性がそのまま伝わっていくと思ってください。

小さな声、小さな音の魅力を感じて!

歌詞を伝える時も、先生の話し方・声の抑揚がそのまま子どもたちに伝わることを知ってください。そうすれば自ずと、伝え方が変わってくると思います。

「範唱」という言葉があるように、先生が歌って聴かせる ことが幼児の指導には、一番の良策です。

この歌の特徴というべき、3個所の小節の1拍目にある休符。 これをどのように子どもたちに自然に認識させ、ちゃんと正しいリズムで歌わせますか?3つとも表情は違うと思います。 音はないけど、最初はメゾフォルテ、次はフォルテ、最後はピアノ、そのくらいこの休符を感じ分け表現できると、成功でしょう。もちろんフレーズの終わりにある休符についても指導が必要です。

休符の存在を子どもたちに、発見させる、言葉に置き換えて分析させることができたらいいですね。

音楽指導の中で、歌唱指導をしながらリトミックにつなげていくなど、まだまだ楽しい発展の可能性があります。歌いながら、音楽の内容に沿った動きをつけてみたり、楽器を入れてみたり・・・それはそれは、音楽的教育効果がアップし、楽しいものです!

「歌唱指導」を内容豊かに、自信持ってできるようにしていきましょう。